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五月人形の選び方について

ネットショップや実際にお店を見て回り、高級な飾り台や屏風の印象、飾り付けに必要なサイズのみ注目して購入しようとする方、意外と多いのではないでしょうか?でも実際、五月人形飾りの中で一番重要なモノってなんでしょう…?それは中心となる甲冑(鎧や兜)です。これらは勇壮な 男子の象徴であるとともに、子供の身を守り、さまざまな困難に打ち勝っていけるよう祈願するために飾られる、いわば「お守り」的な役割をはたしています。ですから付属品中心、サイズ中心ではなく、しっかりとした作りで、威厳のある甲冑を選ぶことがいかに重要かがわかるはずです。ではそれらを選ぶ際、どういう所に注目したらよいのでしょう…?

【1】まずは種類を選ぶ

大きく分類すると、端午の節句の中心に飾られる人形は、鎧(よろい)・兜(かぶと)・子供大将(こどもたいしょう)の3種類になります。

鎧(よろい)

頭から足まで、その全てが備わっている形。五月人形の中でも、その存在感と見どころの多さは圧倒的です。鎧の種類は大きく分けて、
『大鎧型(平安〜鎌倉時代の鎧。節句飾りで一番多いのはこの形式)』
『当世具足型(室町時代以降の戦国時代に見られる個性豊かな甲冑)』
『甲冑師創作型(節句用として甲冑師が独自にデザインした甲冑)』
の3種類があります。

兜(かぶと)

全身ではなく頭部のみの飾り。現代の住宅事情にも合わせたコンパクトタイプも充実しています。
『コンパクト=お手頃価格』と思われがちですが実際、価格は甲冑師の『技術力の差』で決まるため、兜単品で比較した場合、ひと回り大きいサイズの兜と価格差はあまり見られません。むしろ細かい作業が増えれば増えるほど緻密な作業が必要となり、価格は上昇する場合もあります。鎧同様、種類は大きく分けて、『大鎧型』『当世具足型』『甲冑師創作型』の3種類があります。

子供大将(こどもたいしょう)

幼子のお顔が付いていて、なおかつ鎧を身にまとった五月飾りです。どちらかといえば女性好みで、お顔の表情重視で選ばれています。近年、子供大将の身につけている甲冑の完成度も非常に高くなり、男性の目から見ても十分に楽しめ、末永く飾りたくなる節句飾りに進化しています。




チェックポイント

一般のお客さまが、実際に鎧や兜を見て、適性価格かどうか?を判断するのは非常に難しいと思います。職人の技術と品質の差が、価格の差にもなるのですが、値段のわかりづらさを逆手にとり、もともと安いものにかなり高めの参考価格を表記し「ここから半額」などと割引率を強調して販売するお店や、セット価格の内訳のほとんどが人形でなく付属品によるものだったりするお店が存在することも事実。ここではそんなお店に騙されないためにもいくつかのポイントを紹介します。また取り扱い製品に対する自信や、良識のあるお店ならば納得のいく説明もしてくれるはずです。当店には日本人形協会認定の「節句人形アドバイザー」もおりますのでお気軽にご相談下さい。

A.造型美(プロポーション)

これは鎧を考えている方々へ。すごく簡単な見極め方です。見ている鎧から2mくらい離れて見て下さい。胴がやけに長かったり短かったり、横に広がり過ぎてたり細すぎたりしていませんか?肩が不自然ないかり肩ではありませんか?腕が長過ぎではありませんか…?実は、節句の鎧や兜を製作している工房はさまざまで、その全ての工房が熱心に研究したり、改良したりしているわけでなく、表面上は有名甲冑師のコピーをし、細部は製作工程を大幅に省略した大量生産品を製造している場合も実は多いのです。また、それらが一般的な価格で販売されているのも不思議ではあります(実際、それらを「逸品」と称して扱う店鋪の姿勢こそ問題なのですが…)。単純に見た目で形のバランスは判断出来るので、まずはちょっと離れて鎧本体の造型を見てみましょう。

B.威糸(おどしいと)

これは五月人形購入を考えている全ての方々へ。鎧や兜を構成する部品(正確には小札板(こざねいた))をつなぐ糸のことを「威糸」とよびますが、ここでの注意点は「正絹使用」というような材質によるモノではありません。重要なのは、威糸の「本数と通し方」です。小型の鎧や兜に使用する威糸の幅が大型の鎧兜のそれと同じ場合、完成した鎧兜の非常に糸の本数が少ないことに気付くはずです。通す糸の本数が少ないということはつまり「手間がかかっていない」ということになるので、そのような製品が高額な場合は「怪しい…」と考えたほうが良いでしょう。小さい製品なら、それに合わせた幅の威糸を使用しているのがしっかりした作りといえます。また何本も威糸にネジレが見られる場合、それは手間をかけていないというよりもむしろ、欠陥品といえます。兜を見る際は、その後姿にこそ注意してチェックすることが重要です。

オマケ.着用型兜(ちゃくようかぶと)を選ぶ場合

実際にお子さまが大きくなったとき、『被って楽しめる』という節句の楽しさを追求した製品で、昨今、量販店を中心ににわかなブームすら感じさせるこの飾り。節句を楽しむという点においては私たちも大賛成です。当然ながら店頭販売もしています。ただしこれらは、甲冑師の製作するモノとは『品質や技術が著しく異なる』ことをご了承下さい。あくまでも被る楽しみが前提となるので、軽量化をはかるために頭の鉢の部分はプラスチックを使用し、威糸も観賞用ほどキッチリとはしていません。近頃は、その収納箱の装飾に手間をかけたモノも出回り始め、兜の品質と技術だけで判断した場合、『適性価格とは少々ズレてるんじゃないかな〜?』なんて感じているのは私だけではないはずです。『他店の兜より大きいのに、この価格!!』といった宣伝文句を見かけたこともありますが、プラスチックならば、大きくても高額品にはなりえません。鑑賞用として末長く飾ることを前提とするならば、別の製品を選択をしたほうが賢明でしょう。

【2】男性のセンスを頼りに選ぶ

実際、店頭にいくつも並ぶ鎧や兜を見たとき、始めて見にする女性にとっては、「恐い」「大きすぎ」となりがちに…(特に鎧を見たとき)。女性が人形に求めるのは『美しさとかわいらしさ』。「おひなさま」には当てはまるキーワードですが、五月人形ではなかなかそれは当てはまりません。なぜなら男子のために飾られる人形のキーワードは『強さとカッコよさ』に重点が置かれているからです。五月人形の鎧や兜を端午の節句に飾るのは、『生まれた男児に将来への思いを託すため』という本来の姿を考えると、求めるのはかわいらしさだけではないのです。同時に当店は、『男児が成長し大人になっても飾りたくなる人形』こそ価値のある節句人形と考えます。思いを込めた人形を探すならば、お母さんやおばあちゃんの『美しい』という女性的感覚と、お父さんやおじいちゃんの『強そう、カッコいい』という男性的感覚とのバランスをとることが重要です。

【3】お子さまへのメッセージを考えて選ぶ

お子さまが大きくなって「なんでこの五月人形にしたの?」と聞かれた時、どんな夢のある答えが返せるか……これも選ぶ上で重要だと思いませんか? なぜなら「小さくても品のある人形を選んだのは、大人になっても飾っていて欲しいから」 と答えるのと「飾りや後片付けが楽で邪魔にならないから…。」と答えるのとでは、お子さまにとって、贈られた人形に対する思い入れはもちろん、それ以上に家族に対する感謝の気持ちが全然違うものになると思われるからです。ぜひ、お子さまへの思いを重ねた人形選びをしてみましょう。参考までに、以下はこれまでご購入していただいたお客さまの声の一例です。
「頭だけでなく、全身を守って欲しいので鎧飾りに…」 「この武将のような生きざまを、大きくなったときに学んで欲しいから…」 「大人になって飾っても恥ずかしくない、本物志向の兜飾りに…」 などなど

【裏技】セットを組み替えて選ぶ

実際、お気に入りの人形に出会えたものの、店頭で展示されているセットでは予算オーバー。人形中心に選ぶなんて不可能では?と思われている方は、ぜひ当店へお越し下さい。バランス・デザイン・価格などを考慮した当社オリジナルのセットで展示をしていますが、人形・飾り台・屏風・弓太刀・お道具セットの一つ一つにそれぞれ価格表示をしています(ケース入りセットや収納飾りセットなど一部商品を除く)。お客さまのセンスやご予算に応じて、セットの組み替えが可能ですので遠慮なくご相談下さい。また、中途半端なセットを購入するなら、同予算で「しっかりした作りの鎧や兜のみ購入したい」というお客さまのために、鎧や兜の単品販売も可能です。


購入してから数年後、お子さまが人形に興味を持ち始めたときは、ぜひそれらを触らせて親子で一緒に飾りましょう。人形に触らせることで「厄を人形に移す」という大事な意味を持つからです。もしうっかり破損させてしまっても怒らないであげて下さいね。人形が破損したら、昔は「わが子の代わりにお人形さんが厄を受けてくれた!」と考えられていたのですから。もちろん破損させてしまった場合、アフターケアも万全に整えておりますのでお気軽にご相談下さい。

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